精子提供方法ごとの長所と短所|病院の人工授精
病院の人工授精
特徴
精子を病院に持ち込み、医師が子宮内へ注入します。
人工授精をするにはどういう方が適するのでしょうか?
誰でも出来るのでしょうか?
掲載日:2011年7月 5日
以下が当院の説明です。
①人工授精(配偶者間人工授精JAIH)は奥様の排卵日あるいはその前日に、ご主人の精子を洗浄濃縮し、子宮内へ注入する治療法です。②以下の場合に行います
1、運動精子の数が少ない場合(乏精子症)
2、運動精子の比率が少ない場合(精子無力症)
3、抗精子抗体陽性、あるいは性交後検査の結果が不良の場合
4、適切な性交ができない場合
5、排卵誘発治療中で、タイミングをしっかり合わせるため
6、精液検査をかねて治療する場合
7、原因不明で、長期に治療をしている場合③超音波検査、ホルモンの尿検査、基礎体温等を総合して人工授精の日を決定します。
④当日は自宅でご主人に精子を採取していただき、その検体を持参して頂きます。精液の液状化を待って、精子をカウントし、洗浄濃縮をしますので、通常処理に約2時間程かかります。
⑤子宮内へ注入する操作で子宮頚管より出血することがあります。心配は要りませんが、ナプキンなどを用意しください。また、注入後軽い腹痛があることがあります。
⑥注入後、安静の必要はありません。
⑦通常、3日間抗生物質を服用していただきます。
⑧人工授精は保険診療の対象になりません。自費で薬代も含め、約2万円必要です。
⑨感染症管理として、御主人のB型肝炎、c型肝炎、梅毒、エイズの検査(採血)が必要です。
参考資料)浅田レディースクリニック
私の精液で人工授精が必要となるのは、次の場合のみですね。
- 「②>3.抗精子抗体陽性、あるいは性交後検査の結果が不良の場合」
もし、抗精子抗体陽性となった場合は、人工授精よりも顕微授精へステップアップすることがより好ましいとのことです。
「抗精子抗体検査」を受けました。そのときにSIV値19.25で陽性との結果が出て、体外受精を勧められました。そこで質問なのですが、やはりいきなり体外受精に進むのが良いのでしょうか?ほかの改善方法はないのでしょうか?
掲載日:2011年7月 6日
抗精子抗体が陽性の場合、以前はふだんコンドームを使用し、抗精子抗体が高くならないようにし、AIHをするという治療法が一般的でした。
体外受精ができる今では、体外受精の中の顕微授精で確実に受精卵を作ることができ、より確率の高い治療法となりました。今では最初から顕微授精と私は思います。
費用(交通費含まず。定期検査等の積立費 約500円含まず。)
1周期につき1~3万円です。
- 病院における、各種検査や施術の費用です。
人工授精で治療中ですが、現在の病院では1周期に2回AIHしてみましょうかと言われています。そういう事をすることもあるのでしょうか?今回で3度AIHしました。
掲載日:2011年7月 6日
昔、一時AIHを1周期に2回すると妊娠率が上がるという事がいわれた事がありますが、卵が受精可能な時間は数時間、という事がわかってきましたので、私は1回しかしていません。
はっきり排卵のタイミングをつかむ事の方がより大切と考えています(2回料金を取るのも変な感じがします)。
最近は2回AIHをしても妊娠率が上がらないという報告が多いと思います。
参考資料)浅田レディースクリニック>Q&A>AIH
成功率(20代の健康な方)
一般的には、タイミング法の妊娠率と同程度です。
私を含め、精子の質が高い場合、シリンジ法の妊娠率15%程と変わりないです。
性病リスク
性病リスクは、ないです。
なぜなら、人工授精の中でも精子凍結技術を選ぶことができるからです。
例えば、病院にて提供された精子は、6ヶ月間凍結保存されます。次に、再度精子提供者のHIVの抗体検査を実施し、陰性であった場合に限りその精子をAID、つまり非配偶者間人工授精に用います。
こうすることで、性病リスクが完全にないと確認できた精子を、用いることが出来ます。
ただし、人工授精といえども凍結技術を用いない方法ですと、性病リスクを全くなくすことはできません。
その他の感染症リスク
こちらのリスクも、ないです。
温かみ
私は、先ほど述べたように、依頼なさる方とのやり取り自体に、温かみを感じています。
お医者さんも親身になってくださる方なら、安心ですね。
参考
独身者でも人工授精できる病院は、限られています。
通院のための時間を要します。人気のある病院では待ち時間が非常に長いと、依頼者なさった方からお聞きしました。
質問内容
2人目が欲しくて不妊治療を行っています。35歳女性です。
現在は、人工授精に挑戦中です。1人目も同じように授かりました。
教えて頂きたいのは、精子の寿命についてです。主人と私の仕事の関係上、朝7時に採取し、約1時間内にクリニックに到着。洗浄し、しばらく保存しておいてもらい、午後6時過ぎに私が通院し人工授精を受ける。大体このパターンで、4,5周期が過ぎました。結局、精子を採取してから約12時間後の人工授精となります。この場合洗浄された精子の受精能力は、どうなのでしょうか。現在のクリニックでは、大丈夫よ・・と看護婦さんから聞いたのですが・・・。第1子のときを思い出すと、その回は、大体午後3時採取午後6時人工授精というタイミングでした。そのことを思い出し、とても不安に思い始めました。
もし、受精能力がずいぶん落ちるようなら、今後時間帯をなんとかできないかと考えています。
そこで、ベストのタイミングがあれば、教えて頂きたいと思います。
また、こういう場合凍結精子を使用した方がよいのでしょうか。
回答
精液中には、精子以外に最近や血液成分その他精子に悪い影響を与える成分なども入っているためたいていの施設で、パーコールなどを使った精子処理をしてから人工授精を行っています。この処理により精子の寿命はやや短くなり、受精に一番良いのは、処理後6時間までです。仕事の都合で朝精液採取し、夕方人工授精をせざるを得ない方もありますが、妊娠率は落ちます。
凍結精子の場合、解凍すると精子濃度は約半分となりますので、精子が多い人であれば、やってみる価値があります。
バーコール法によって、男女の産み分けがある程度できます。
パーコール法による 産み分け
パーコール法は排卵日当日に行います。
パーコール法をお受けになる方は、生理12日目前後に来院され超音波により排卵日を検索し、パーコール法の施行日を決定いたします。パーコール法は、日本の産婦人科医院で行われている女の子の産み分け方法の中の1つで、男性の精子をパーコール液に入れ遠心分離器にかけ、X精子とY精子を分離し、採取したX精子を子宮に入れるという人工授精のことです。
実はパーコール法は、安全性の理由から94年から06年まで日本産婦人科学会で禁止されていました。
そして、06年4月に日本産婦人科学会は「追試の結果、X精子とY精子を完全に選別することはできない。 よって産み分けできる科学的根拠はない」とし、パーコール法の禁止を撤回しました。しかし、「パーコール法の使用を容認するものではない」とも付言しています。
パーコール法の成功率は、「完全に選別することはできない」と書いてあるように、100%産み分け出来る方法ではありませんし、パーコール法は成功率60%とも70%とも言われいています。
ここで理解していただきたいのは、1.日本産科婦人科学会はパーコール法は科学的根拠を持たない、と明確にしていること、2.自然妊娠しても男及び女の確率は50%であること、です。100%成功するものではありませんので、自然妊娠と同様に超音波検査をするまで赤ちゃんの性別が分からないということになります。
人工授精をしてまで、女の子を希望するのですから、その決心は相当な物だと思います。
ですから、赤ちゃんの性別が分かるまでの期間、一般的な産み分け方法にチャレンジするとき以上に、とても不安になるかもしれないと簡単に想像ができます。
あなたと、生まれてくる赤ちゃんにとって、本当にパーコール法が必要なのか?
パーコール法とその他の産み分け方法とでは何が違うのか?
このようなことを良く考える時間も大切だと思います。
当院での 開院以来 6年間の パーコール法実施の成績も 約65%~70%と考えています。 ですから 女の子がほしい 女の子以外は考えられない と お考えの場合 受けられるのは お勧めできません。
以上の事を 十分理解したうえで 来院されることを お勧めいたします。
費用は40000円(税抜き) です。
精子を凍結しておいて、女性の都合の良いときに人工授精することもできます。
ただし、精子凍結にはデメリットがあります。
具体的には、凍結、融解によって精子の運動率が低下する可能性が挙げられております。
一般的には50%〜80%程度の運動性が損なわれると言われています。
理論的には凍結融解後の精子を用いた人工授精(AIH)は可能ですが、極端に運動性が低下することから、人工授精では妊娠が難しい(顕微受精が必要になる)ということも想定されます。
(この点は施設により考え方の相違はありますが、当院では凍結融解精子の場合は全例顕微授精とさせていただいております。凍結融解後の精子では人工授精で妊娠可能な程の運動性が確保できないことが多いためです)
参考資料)
採精直後の精液の質がやや悪くても、妊娠できます。