精子提供方法ごとの長所と短所|おわりに
おわりに
シリンジ法からのステップアップ
2年前から不妊治療をしています。まだ妊娠できず、「ステップアップも考えましょう」と言われましたが、お金と時間を考えると気が重いです。それでも継続して次の治療を受けるべきでしょうか。
掲載日:2011年7月21日
不妊治療は2年間位の間には妊娠しなければいけません。タイミング・排卵誘発・人工授精・体外受精(顕微授精)は各々だいたい半年位をめどに結果がでなければ、次へ進みます。
不妊症の本当の原因はミクロの世界で起きている事ですのでわかりません。治療方法をステップアップし、その人にとって過剰でなく適した治療法で早く妊娠するよう適切に治療しなければなりません。
一方、不妊治療だけでなく出産、育児はお金も時間もかかります。不妊治療は妊娠のためですので、あなたの人生において、あなたの貴重なお金や時間を何に使うのかよく考えて行動してほしいと思います。子供に使ってもったいないと思うのであれば不妊治療は続けられません。加齢により妊娠率は低下します。適切にステップアップし、早く結果に結びつく不妊治療を、手遅れにならないうちにしてください。
参考資料)浅田レディースクリニック
35歳以降の方がシリンジ法で妊娠しずらかった場合、病院で促されているように、その方法を早めに切り上げることをお勧めします。
「体外受精(IVF)」にはコンベンショナル体外受精と顕微授精(ICSI)があります。
引用元)
体外受精(IVF)、顕微授精(ICSI)|不妊診療|大阪 銀座 医療法人オーク会
参考)
なぜなら、35歳以降は出産できる確率が大幅に下がり始めるからです。
- 具体的には、以下をお読みください。
年齢別にみる自然妊娠確率
25歳 25%~30%
30歳 25%~30%
35歳 18%
40歳 5%
45歳 1%
上記からわかるように、女性の妊孕力(にんようりょく)は30歳位から徐々に低下し、37歳からは低下スピードがアップします。そして44歳以降では妊娠する可能性は1%とほぼ無くなってしまうのです。
年齢別 流産の確率
25歳 10%
30歳 10%
35歳 25%
40歳 40%
45歳 50%
年齢別ダウン症児の発生確率
20歳 1/1667
25歳 1/1250
30歳 1/952
35歳 1/385
40歳 1/106
45歳 1/30
体外受精の年齢別妊娠率
35歳を過ぎた当たりから急激に妊娠率が低下しているのがわかります。
あくまでもこれは妊娠率で、出産までいたった数字ではないことを理解してください。
ART妊娠率・生産率・流産率
(日本産科婦人科学会調べ)
治療成績が年齢を重ねるごとに下がってくるのはもちろんですが、緑色の生産という所を見てください。
これは赤ちゃんを出産出来るのかという生産率の数字です。37歳くらいから徐々に低下していきます。
こうして考えると遅くても35歳位迄の妊娠が望ましい事と、不妊治療を受けたり子作りをするのならば42〜43歳が数値的に見てもリミットかもしれません。
参考)年齢別妊娠確率まとめ 妊娠率・受精率・着床率・流産率 | 妊活!卵の質向上委員会
シリンジ法のみを継続なさっても よろしいです
35歳以降は、流産率やダウン症の発症率が急速に高まることがわかっていながら、提供方法のステップアップを勧めないことは、悩ましいものです。
とはいえ、ステップアップなさらなかったとしても、ご提供を断ることはありません。
シリンジ法のみを継続なさっても、よろしいです。
いずれにせよ、依頼なさる方の
健やかな ご出産と子育てを、お祈りしております。