精子提供方法ごとの長所と短所|タイミング法
タイミング法
特徴
タイミング法は、排卵に合わせて性交する方法です。
医院の不妊治療において、もっとも初期段階で試される方法です。
タイミング法とは?
タイミング法は排卵に合わせて性行為をする方法で、不妊治療におけるもっとも初期段階で試される方法です。
排卵は月に1回しかないため、排卵時期以外に性行為をしても妊娠することは基本的にはありません。
そのため、やみくもに性行為を重ねるよりも、子どもを授かりたいと思うのであれば、タイミング法で排卵を狙って性行為をする方が確率は上がります。
一般的に、排卵時期は、おおよそ排卵日前3日間を指します。この排卵日の数日前に性行為をすることで、妊娠が期待できます。
参考資料)
タイミング法とは?妊娠の確率をあげる上手な方法 | カラダのキモチコラム | ドコモ・ヘルスケア
(監修: レディースクリニック 院長 ソン ミヒョンさん)
費用 (交通費含まず。定期検査等の積立費含まず)
ホテル代は、安くても数千円となります。
依頼なさる方のご自宅であれば、費用は掛かりません。
成功率 (20代の健康な方)
一般的な精液の質で、周期あたり20%台です。
根拠は、次の引用をお読みください。
タイミング指導の妊娠率
一般的には、排卵日付近で夫婦生活の機会を持てば約20%の確率で妊娠するといわれています。そして、このペースで妊娠が成立していった場合、1年後には約90%の夫婦が妊娠する計算になるのですが、すべてのカップルが排卵日を意識して夫婦生活を持っているわけではありませんよね。ですから実際には、もう少し低い割合となり、避妊していない夫婦の場合、1年で約80%が妊娠に至ります。
参考資料)
外部ドナーで、タイミング法による成功事例は最高で40代前半です。
高齢で妊娠できる期間が残りわずかの方や、若くても妊娠しづらい方にとっては、有効な方法です。
なぜなら、シリンジ法より妊娠率が高く、病院利用より安価だからです。
病院ではなく、飛行機と宿泊を利用する場合で、一周期当たりの安産率を出来る限り高めたい方にとっても、選択肢となります。
性病リスクなど
性病リスク
精子提供者、依頼なさる方、ともに性病検査を受けたとしても、性病のリスクは一定程度残ります。
理由は、先ほど記した、「Q. どうしてタイミング法を行わないのですか」をご覧ください。
また、お時間があれば、「女性の性病・性感染症 症状や原因など」もご覧ください。タイミング法に対応するならば、シリンジ法での妊娠が難しい方など、ごく少ない方に限るべきです。
最も多項目の性病検査を受けることは 必須
依頼なさる方がタイミング法を希望なさる場合、定評のある、最も多項目の性病検査を受けることは必須です。
なぜなら、感染リスクにさらされる、同じ期間中にご提供を受ける方々の同意を、精子提供者が得ることが前提となるからです。
仮に検査項目を指定するなら、次の12項目となります。
費用は、21,000円程です。
女性が費用を負担に感じる場合、検査費用の4割または全額を精子提供者がお支払いすべきだと思います。
既婚女性へのタイミング法は 慎重になるべき
旦那様の同意があっても、既婚女性へのタイミング法は慎重になるべきでしょう。
なぜなら、奥様が性病検査を受けたとしても、その後に夫婦生活を営まれると、感染リスクが生じます。
具体的には、旦那さま→奥さま→精子提供者→ほかの依頼女性 という流れで感染リスクが生じます。
もし、タイミング法が必要なら、提供期間中は旦那さまとの夫婦生活を、全く行わないことです。
性病検査の間隔は 4か月ごと
女性の性病検査の間隔は、4か月ごとに必ずしていただくのがよいです。
なぜなら、約3か月ほど経過しないと、いくつかの性病検査項目では、感染の有無を見分けられないからです。
具体的には、次の検査項目となります。
- B型肝炎ウイルスでは、感染後約2~3か月経過しないと、検査をしても感染しているかどうかわかりません。
- C型肝炎ウイルスでも、感染後約3か月ほど経過しないと、検査をしても感染しているかどうかわかりません。
- 梅毒でも、感染後約4~10週ほど経過しないと、検査をしても感染しているかどうかわかりません。
- HIV ウイルスでも、感染後約3か月ほど経過しないと、検査をしても感染しているかどうかわかりません。
したがって、タイミング法をご希望するのであれば、最近の性交から4か月後の性病検査を済ませてから、行う必要があります。
その他の感染症リスク
歯周病、皮膚病などの感染リスクがあります。
視認、つまり実際に目で見て確認すること等により、その他の感染リスクがないか判別することは大切です。
なお、私はその他の感染症もないことを、歯科で定期的に確認済みです。
その他の科についても、ご希望があれば受診します。
また、ご遠慮なさらず、歯や肌を見るなどして、よくご確認ください。体のにおいを嗅いでみるのも、一つの方法でしょう。
受診内容を証明する書類は、精子提供者の名前とともに提示します。身分証明書と対(つい)にして、ご確認ください。
精子提供者の健康状態は、証明書類と合わせて、ご自分の感覚でもお確かめください。
なぜなら、そのご確認は、生まれるお子さんのためにもなるからです。
お子さんが、心身共に健やかであれば、保育をサポートするご両親なども、一層、お喜びになります。
証明書とご自分の感覚で、安全なご出産と健やかな保育への、見通しを持てるか、ご判断下さい。
なお、感染症に対する抵抗力、つまり免疫力は、20代が最も高いです。
免疫力は20代をピークに年齢とともに低下し、50代ではおよそ半分に落ち込みます。
参考資料)
したがって、精子提供者の体年齢も、感染リスクの高い低いを判別する目安となります。
温かみ
一定の信頼関係が築かれていれば、温かみがあります。
もし、同時期にご提供を受けている方々の同意をいただければ、ごく少ないケースに限り、タイミング法を受付けることには一理あります。
例えば、妊娠できる期間が残り僅かな女性が、半年以上にわたってシリンジ法を行っても出産に至らない場合があります。また、一定数の女性が、若くてもシリンジ法だけでは妊娠しづらいことは、誰であれ理解できます。人肌にぬくもりを感じることで、ホルモンバランスなどが整い、妊娠しやすくなる見込みもあります。
一部の女性は、残された期間で子どもを持てるかどうかが、妊娠率の高い方法をとれるどうかにかかっているのは、事実です。
人工授精や体外受精で生まれた方で、「精子と卵子のみで生まれたということを、機械的に感じる」という意見を、読んだことがあります。
性交という表現は、直接的すぎるかもしれません。
けれども、男女が愛し合った末に生まれた子どもであることに、温かみを感じる方がおられるのは、事実です。
参考
男女の産み分けは、ゼリーの使用などである程度できます。
専門医によれば、精子濃度4000万/ml未満の場合、自然妊娠、つまりシリンジ法とタイミング法からステップアップすることが、勧められています。
私が、タイミング法を受け付ける期間かどうかは、次の文章をお読みください。
女性の選択
女性の選択
期間を限り、女性の選択肢として、タイミング法の試験的な受付けを、検討しています。
将来的に受付ける場合、その期間はこの記事の後半で、記します。
主な理由
まず、高齢であったり、若くてもシリンジ法では妊娠しづらかったりして、出産率の高いタイミング法を望む女性が、おられるからです。
また、多くの調査で、体外受精や顕微授精には、主に子どもの発育でリスクがほぼないとされる一方、リスクがあるという調査も、一定数あるからです。
具体的なリスクについて、知りたい方はお申し出ください。
私が知る限りでも、主に国外の大規模調査が、20あります。(2018年2月時点)
十分安全性に配慮したうえでタイミング法を行うことは、不妊治療費をかなり軽くするだけでなく、お子さんのためにもなります。
そして、人工授精で生まれ、大人となった方々の中には、ご自分が人工的な治療ではなく、血の通った男女の営みによる命でありたかった、と話す方もおられるからです。
なお、私はシリンジ法やタイミング法を含めた 自然妊娠の方が、子どもの発育不良は少ないという意見が、分かる気がします。
なぜなら、数億を超える精子を淘汰する、つまり生存競争によって環境に適応しない個体が死滅し、適応するものだけが残るからです。
具体的に、体外受精では多くの精子を卵子に、直接注ぎかけます。顕微授精では拡大された画像を通して、人が目で選んだ精子を、卵子に針で刺し入れます。
一方の自然妊娠であれば、例えば私の一回の総精子数 5~7億ほどのうち、自然に厳しくえり分けられた一つが、卵子にたどり着きます。
つまり、自然妊娠なさることは、お子さんの発育のためにもなると、私は考えています。
以下の引用も、この考えを支持しています。
佐々木 その子どもを無事出産し、現在2歳になっています。元気に育っています。出産した当時、私は46歳で夫は52歳。こんな高齢夫婦からよくまあこんな元気な子が、という感じです。
黒田先生が長年の研究生活から開発した黒田メソッドの原理は、とても論理的で、納得できるものです。「どのような性質を持った精子を受精に用いれば、不妊治療の安全性向上に寄与できるか」という黒田先生の精子側から安全対策を立てていく考え方、すなわち「精子の質の選別と評価」は、「自然に性交で膣内に射精された精液中の精子が、卵管内の卵子まで遡上して到達するまでの間に、精子の質の選別が自然に行われていることを再現すること」です。
つまり黒田メソッドでは、精子の優劣を人為的につけているわけではないのです。言いかえれば、「自然界に近づける精子側の技術開発が黒田メソッド」であり、命に優劣をつけるようなものではないというところにも感銘を受けました。
参考資料)
不妊治療 妻46歳、夫52歳で親になって思うこと | 黒田優佳子先生の「優しい生殖医療講座」 | 日経DUAL
具体的に、タイミング法が必要か判別する
既にシリンジ法を十分続けたものの 出産できなかった方
既にシリンジ法を十分続けたものの、出産できなかった方を、受付対象とします。
また、他の提供方法では妊娠見込みのないご本人の希望や、男性パートナーの同意も、大切な条件です。
実際、タイミング法以外の提供方法では、妊娠できる見込みが現実的にない方がおられます。
例えば、シリンジ法は十分続けてきたこと、人工授精や体外受精に伴う金銭的負担と身体的苦痛、などが挙げられます。
しかし、全ての女性は子どもを産む権利を持ちます。
性感染症検査を 定期的に
性感染症検査を定期的に受けてください。
私の知る限り女性用で最多の12項目検査を、最近のご自分の性交から、4か月後に受けていただきます。(2019年4月以後、17項目検査へ更新)
4か月後とする理由は、感染していても検査結果に出ない期間が、最長で3か月間あるからです。
タイミング法をなさった後は、4か月ごとに女性用の性感染症検査を受けていただきます。
検査一回につき、実費でおよそ5万円弱となります。
その実費の4割または全額を、私に負担してほしい場合は、お申し出ください。
依頼なさる方の感染症検査結果と引き換えに、お支払いします。
カップルの場合、提供期間中は、男性パートナーとの性交を行わないでください。
なぜなら、男性パートナーから依頼なさる女性への感染経路を絶つためです。
そのため、性感染症検査をクリアした方でも、その他の感染症の前ぶれが見て取れたら、速やかに、別の提供方法とさせていただきます。
もし、外部の精子提供者の感染症有無について、情報提供をご希望でしたら、お申し出ください。
事例は少ないですが、根拠となる資料に基づいて、感染経験の有り無しをお伝えします。
依頼なさる方が、安全に精子提供を受けられるよう、お手伝いいたします。
なお、私は複数の人と性関係を持ちたいとは、思っておりません。
なぜなら、この記事でお伝えした通り、精子提供者自身も、感染症リスクにさらされるからです。
例えば、女性は誰とも性関係を持っていなくても、衛生管理についての知識が不足していたり、日常の疲労から抵抗力が落ち、性感染症を持つ場合もあります。
私としては、タイミング法のご希望がなければ、普段通り、支えを必要とするお子さんのために、時間を充てるだけです。
精子提供の依頼日が 重なったとき
精子提供の依頼日が重なったときは、基本的に採精日時がより固定的な方を、優先します。
具体的には、次の方針で優先します。
- フレッシュな精子を使う、人工授精や体外受精 (病院が採精日を指定します)
- タイミング法 (要する時間は、短くとも1時間でしょう。主に、妊娠できる期間が残り僅かな方に、限ります。)
- シリンジ法 (20分間ほどで、採精できます)
- 凍結精子を使う、人工授精や体外受精 (排卵日に限らず採精・凍結できます)
- 精液検査用の提供 (排卵日に限らず、採精できます)
この方針に沿って、妊娠しやすい「排卵の4日前から当日」の期間で、依頼なさる方とともに日程調整を行います。
なお、私の移動時間を短くしてくださると、仕事で忙しい時期でもご提供しやすくなります。
受け入れを公言している男性とそうでない男性
受け入れを公言している男性とそうでない男性
色々な精子提供サイトを見ると、タイミング法の受け入れを公言している男性と、そうでない男性がおります。
- タイミング法の希望を受け付けるかどうか明確に公開せず、成り行きで行う提供者の方。
- 明確に公開し、対象者の条件を明示する提供者の方。
私は、後者の方が衛生意識が高く、より安全であると思います。
タイミング法をご希望する方に対しても、私からタイミング法を提案はすることは、ありません。
お申し付けがない場合は、ご希望なしとして受け取ります。
お申し付けがある場合は、日常生活で感染機会を最小にできるよう、衛生習慣などについて情報提供させていただきます。また、女性が既に感染しているときの自覚症状についても、情報提供いたします。
もし、今私からの精子提供をお受けになっている方で、「自分が出産するまでの間、タイミング法の受け入れを中止してほしい」というご希望があれば、お申し付けください。
お申し付けがあれば、中止します。
中止のお知らせは、この記事で周知します。つまり、広く知れ渡るようにします。
現在、タイミング法受付を中止しています。
- 主な理由は、依頼なさった方からのお申し付けです。
- したがって、タイミング法を望む方は、外部のドナーへお問い合わせください。
- もし、精子受け取り中の方々の同意を得て再開する場合でも、主に「性感染症検査を 定期的にお受けになる」という条件を満たす必要があります。詳しくは、このページの目次からお探しください。
なお、現在 提示している検査結果は、4か月間以上の十分な期間を置いて、リスクがないとされたものです。
なおかつ、最近の検査から現在までに、タイミング法での精子提供もありません。
つまり、女性から私への感染機会自体が、ないです。
とはいえ、もしご不安が残るようでしたら、再検査に応じます。
ご遠慮なく、お申し出ください。
性感染症が全くないという 確証を得るのは難しい
依頼なさる方の立場に立てば、シリンジ法やタイミング法において、性感染症が全くないという確証を得るのは、なかなか難しいものです。
なぜなら、既婚の提供者の場合、性感染症検査を受けた後に夫婦生活を持てば、それが感染の機会となり得るからです。
独身の提供者であっても、性感染症検査を受けた後に、別の依頼なさる方もしくは交際相手との間で、感染の機会があり得るからです。
タイミング法を含めないと記す団体や個人でさえ、精液の質が低ければ、シリンジ法や人工授精での妊娠はできません。
実際に残る選択肢は、一回の相場が30~80万円と言われる体外受精と、交通費だけでもできるタイミング法の、2つのみとなります。
実際にどちらを選んだのかは、その団体や個人の精子提供者のほか、知りようがありません。
2018年3月 時点
リスクの少ない精子提供者を 選ぶポイント
そういう状況で、できるかぎりリスクの少ない精子提供者を選ぶポイントは、次の点だといえます。
- シリンジ法のみで妊娠できるほどに、精液の質が高いこと。それを、画像などで証明できていること。
- もし、既にタイミング法を行った場合に、ちゃんと伝えてくれる人なら、行った時点から4か月間の十分な期間をおいて、性感染症検査を受けていること。
- 精子提供者の、その言葉自体の信頼性。
その言葉の信頼性は、各精子提供者や団体の、ホームページ、ツイッター、そしてブログを比較します。
私個人の考えとしては、多少粗削りなところがあってもいいから、ご自分の体験や考えを十二分に語っている提供者が、よいと思います。
なぜなら、主に 依頼なさる方との対話で手ごたえを感じるほど、意欲と工夫が増し、伝える内容も豊かで多様になるからです。逆であれば、意欲と工夫は減り、語る内容も乏しく単調になります。
あとは、私が知る限り、問い合わせや対面での返事の様子から判断なさるほかに、方法はありません。
活動歴の長さに比例せず、サイト記事などが乏しかったり単調であったりするなら、実際の相談や出産も少ないか、ゼロでしょう。
主に、検索結果での上位表示のみを追求した結果が、表れている気がします。
活動歴が長いということは、精子提供者として既に高齢となった方達が多い、ということも意味します。
例えば、活動歴が10年であれば、10年前の活動開始年齢はほとんどの方が30代ですから、2018年時点だと40代ということになります。
とはいえ、高齢精子による子の発育リスクを、ちゃんと伝えてくださっているなら、良心的です。
検索順位は 実際の出産数とは無関係
なお、googleやyahooでの検索順位は、実際の出産数とは無関係に操作できるものです。
なぜなら、順位を決める仕組みが、各サイトの出産数を知ることはできないからです。
例えば、ツイッターのフォロワー数を、自動的に増やしていくなど、上位表示の手法が様々にあります。
表示順位を決める仕組みは、各種証明書が本人のものであるかも、知りません。
どの方法で精子提供を受けるにせよ、
少し話しづらいことも、ちゃんと伝えてくださる人を選ぶことは、大切です。
タイミング法実施に対する結論
私へのタイミング法受付は、終了いたします。
理由は、主に感染リスクによって、私の妻となる人を不安にさせたり悲しませたりしたくないからです。また、その人との子をそうした表情にさせたくないです。
私は悲しみと諦めの光景、つまり離婚を望んでいません。そうではなく、安らぎと希望をもたらす家庭を望んでいます。
それを、私の両親がもたらしてくれたように。
2019年11月