出生届 精子提供・精子バンクのご利用後
精子提供を受けた 男性不妊のカップルの出生届
男性不妊のカップルは、(夫と遺伝的つながりはない)非嫡出子として届けることが出来ます。
具体的には、戸籍法の次の部分をお読みください。*1
第49条
2.届書には、次の事項を記載しなければならない。
一.子の男女の別及び嫡出子又は嫡出でない子の別
二.出生の年月日時分及び場所
三.父母の氏名及び本籍、父又は母が外国人であるときは、その氏名及び国籍
四.その他法務省令で定める事項
一方、結婚している夫婦の間で生まれた子は、その夫の実子であると、法的に定められることも事実です。 これは、精子提供によるかどうかにかかわりなく、推定されます。理由は次の通りです。
民法第七七二条(嫡出の推定)
1.妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2.婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取り消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。
また、上記引用からわかる通り、血液型の矛盾があっても出生届けに記載する欄はありません。
嫡出子または非嫡出子としての届け出について、さらにお聞きしたい方は、妊娠後にお問い合わせください。
精子提供を受けた シングルマザー、GIDカップル、レズビアンカップルの出生届
未婚となる、シングルマザー、GIDカップル、レズビアンカップルの場合は、
非嫡出子、父の氏名・本籍は空欄、で提出することになります。
そのため、お子さんはお母さんの戸籍に入りお母さんと同じ姓になります。そのため、親権を持つのはお母さんのみになります。
GIDカップルの方の場合、FTMで男性になられた方が親権を持つ方法として、特別養子縁組に可能性があります。特別養子縁組では、実父との親子関係を解消して養父との間に同様の親子関係を認めます。
(※ 2017年現在、FTMカップルの子どもは嫡出子として届け出ることが可能です。最新の法制度については、面談以降にお問い合わせください。)
精子提供・精子バンクと合わせて 親権を法律専門家に相談するのも一案
なお、近年、 性的少数者に配慮するため、法制度は改正されつつあります。
嫡出子と非嫡出子の法的な取扱いや特別養子縁組について、詳しくは、お近くの法律専門家にご相談ください。または、精子バンク機関の無償弁護士相談をご利用ください。
職場への手続きなど
私の知る範囲では、特に手続きを必要としません。
会社員の方は、「給与所得者の扶養親族申告書」にて、一般の出産と同様、子どもを扶養家族として記入して、勤務先に提出します。
同じく、ご加入の健康保険組合への届け出、出産育児一時金 42万円の支給申請も、一般の出産と変わらないです。
出産育児一時金は、被保険者及びその被扶養者が出産された時に協会けんぽヘ申請されると1児につき42万円が支給されます。
*2
案ずるより産むが易し
色々お伝えしましたが、何よりも、産めるのは限りある期間だということが、大切です。
その期間を逃さなければ、少なくとも、産み育むという経験を得ることは、できます。
案ずるより産むが易し